S1:自分の情報体系を構築する
AIが自分を定義する前に、自分で自分を定義しておく。
このスキルで手に入るもの
Section titled “このスキルで手に入るもの”自分の価値観・判断基準・考え方の軸を、自分のPCに蓄積・管理できる状態です。AIを使って自分の思考を強化できる体制が完成します。
なぜ必要なのか
Section titled “なぜ必要なのか”自分で考えているつもりでも、実はAIのすすめ通りに動いてしまっていることがあります。
おすすめされた情報を受け取り、提案された答えを選ぶ——これが積み重なると、「自分の考え」と「AIの提案」の境界がわからなくなります。
まず自分自身のデータを自分で持つことが、すべての出発点です。
方法論:Ontologyシステムの構築
Section titled “方法論:Ontologyシステムの構築”S1は「何かを覚える」スキルではありません。自分の思考を記録・分析・更新し続ける仕組みを自分のPC上に作るスキルです。
基本の考え方:ホワイトボックス化
Section titled “基本の考え方:ホワイトボックス化”多くのAIアプリは「ブラックボックス」です。何が起きているか見えない。
S1が目指すのはその逆——自分のデータがどこにあり、AIが何をどう分析しているかが全部見える状態です。データはすべて自分のPC上のファイルに置きます。クラウドサービスが終了してもデータは手元に残ります。
ステップ1:ツールを準備する
Section titled “ステップ1:ツールを準備する”フォルダを作る前に、2種類のツールを用意します。
① IDEアプリ(ファイルを編集・管理するアプリ)
MDファイルの作成・編集に使います。おすすめは以下の2つです。
| アプリ | 特徴 |
|---|---|
| Cursor | 無料プランのあるIDEアプリ。Claude Codeとの連携がしやすい |
| Antigravity | GoogleのIDEアプリ。AI(Gemini)が最初から組み込まれている |
MDファイルは自分で直接書く必要はありません。AIに「このテーマで概念ファイルを作って」と依頼すれば、AIが書いてくれます。
② AIアプリ(ファイルの中身を作る・分析する)
| AIツール | 特徴 |
|---|---|
| Claude Code | ファイルの分析・Ontology更新・レポート生成が得意 |
| Gemini(Antigravity内蔵) | Google Oneの契約1つでIDEとまとめて使える。コストを抑えたい場合におすすめ |
どちらを選んでも構いません。Antigravityは、IDEとAI(Gemini)が1つのGoogle One契約でまとめて使えるため、導入コストを抑えやすい選択肢です。
フォルダ構造をつくる
ツールの準備ができたら、自分のPC上にフォルダを作ります。
最初は、S1に必要な最小構成——3つのフォルダだけで大丈夫です。トップのフォルダ名は何でも構いません。この教科書では myproject(自分のプロジェクト置き場)として進めます。
myproject/ ├── inbox/ 音声メモ・走り書きをまず入れる場所 ├── ontology/ 自分の頭の中の地図 │ ├── concepts/ 概念ファイル(1テーマ = 1ファイル) │ ├── people/ 人物ファイル(1人 = 1ファイル) │ ├── organizations/ 組織ファイル(1組織 = 1ファイル) │ └── relations/ 概念同士のつながりを記録 └── actionlog/ 日ごとの行動記録Tip: フォルダ名は「半角英数の短い単語」にする フォルダ名は、自分が分かりやすい名前に変えて構わない。ただし半角英数の短い単語にしておくと、AI-Agentへの指示が書きやすく、ツール間の相性問題も起きにくい。
inboxは「とりあえず入れる箱」、ontologyは「自分の地図」、actionlogは「やったことの記録」——名前を見ただけで役割が分かる状態を保つ。
S1で最初に作るのは、自分の思考・人物・組織・概念・行動が残る場所です。これだけあれば、AI-Agentに読ませて自分のOntologyを育て始められます。
以下は、SOVREN FrameworkをS9まで履修したときの完成形です。最初から全部作る必要はありません。スキルが進むたびに、フォルダが1つずつ増えていきます——S2でリサーチ、S3で発信、S5で財務、S6で外注管理、S8で資本計画。
myproject/ ├── inbox/ 音声メモ・走り書きをまず入れる場所(S1) ├── ontology/ 自分の頭の中の地図(S1) │ ├── concepts/ │ ├── people/ │ ├── organizations/ │ └── relations/ ├── actionlog/ 決めた行動とその結果(S1) ├── research/ AIリサーチ結果の蓄積(S2で追加) ├── content/ 発信設計シート・コンテンツの管理(S3で追加) ├── outsource/ 外注案件の管理(S6で追加) └── finance/ 財務データ(S5で追加・S8で拡張) ├── monthly/ 月次収支データ(MoneyForward/FreeeのMD変換ファイル) ├── assets/ 総資産・負債の記録 ├── investment/ 投資実績の追跡 ├── capital_plan/ 長期資本計画(S8で詳しく設計) └── hedge/ リスクヘッジ・資産管理(S8・S9で詳しく設計)このフォルダが、自分の頭の中の地図(Ontology)を外に出したものになります。
運用の前に:安全に使うための2つの原則
Section titled “運用の前に:安全に使うための2つの原則”ステップに進む前に、AI-Agentを安全に使うための原則を2つ押さえておきます。
① AIに参照させる範囲を限定する
Section titled “① AIに参照させる範囲を限定する”AI-Agentにフォルダを読み込ませるとき、Cドライブ全体を参照させないようにします。システムファイルを誤って改変されるリスクがあるためです。
AI-Agentに指定するのは、myproject フォルダのみにします。分析に必要なファイルは、myproject内に移動するか、読み込ませたうえでmyproject内に設置するのがおすすめです。
「作業のためのフォルダだけをAIに見せる」という原則を守ることで、意図しないファイルの改変・削除を防げます。
Tip: プロジェクトごとにフォルダを分ける 複数の制作物を同じフォルダで進めると、企画書・画像・HTML・修正ログが混ざり、AIが別案件の情報を参照しやすくなる。WEBページ、資料、アプリなどを作るときは、案件ごとにフォルダを分ける。たとえば
projects/ramen-lp/の中にplan.md、index.html、img/を置く。
② AIは手動でキックするのが基本
Section titled “② AIは手動でキックするのが基本”AIを「朝に自動起動して勝手に記録させる」運用はおすすめしません。自動タスクはリソースを消費し、意図しない大量ファイル生成やエラーの原因になります。
作業のたびに自分でAI-Agentに指示を出します。これが最も安全で、生成物の品質も保ちやすい方法です。スケジュール自動実行やバックグラウンド常時稼働は、S1の段階では使いません。
ステップ2:思考をインプットする(Data層)
Section titled “ステップ2:思考をインプットする(Data層)”毎日・毎週、自分の思考を inbox に記録します。
やり方(例):
- スマホで音声メモを録音する(考えたこと・気づいたことを話すだけ)
- WhisperなどのSTT(音声→テキスト変換)アプリでテキストにする
- Google Drive経由でPCの
inboxフォルダに自動保存する
Tip: データはMD・CSV・JSONで管理する PDF・ExcelはAI-Agentにとって読み込みコストが高く、構造も失われやすい。
inboxに保存するファイルは、できる限りMarkdown(.md)・CSV・JSONの形式にする。PDFや画像で渡さざるを得ない場合は、まずテキスト化してから保存する。
Tip: 本番Ontologyに仮データを入れない 冗談、仮名、テスト用の文章、あとで消すつもりの雑なデータは、
inbox/や一時フォルダに置く。ontology/はAIが判断の根拠として読む場所なので、本番で使う人物・組織・概念だけを入れる。遊び場と本番環境を分けることが、AIの判断品質を守る。
BSシートで書き出す
Section titled “BSシートで書き出す”音声メモだけでなく、手書きのBSシート(Brain Stormingシート)に書き出してから、あとで音声やテキストにしてもOKです。
BSシートの作り方は簡単です。
- B5サイズのルーズリーフを用意する
- 紙を縦に二つ折りする
- 9センチほどの幅の、細長い罫線ノートとして使う
使うときは、考えたいトピックを一つ決めます。たとえば「自分の強み」「今やるべき事業」「なぜこの市場に可能性を感じるのか」などです。
トピックを決めたら、箇条書きで上から一気に書いていきます。途中で手を止めず、うまく書こうとせず、思いついたことをそのまま下まで出します。
テーマ: なぜAIPスクールを広げたいのか
- AIを使える子を増やしたい- でもAIに答えを出させるだけでは危ない- 自分で判断できる子を育てたい- 保護者は「AIが怖い」と思っている- だから安全性や法教育もセットにしたい- 点数が上がることも大事- でも本当は、学び方を自分で持てることが大事BSシートは、きれいな文章を書くためのものではありません。自分の中にある考えを、検閲せずに外へ出すための道具です。書き終わったら、スマホで写真を撮る、音声で読み上げる、AI-Agentに渡してテキスト化するなどして、inbox に保存します。
「正しく書こう」とする必要はありません。とにかく出すことが重要です。
モバイルでのインプット
Section titled “モバイルでのインプット”外出先でパソコンがない場合は、スマホの標準音声録音アプリで録音し、そのデータをGeminiアプリにドラッグ&ドロップ(D&D)してテキスト化します。サードパーティの音声認識アプリは情報漏洩リスクがあるため推奨しません。
1回の録音は10分程度を上限にします。長すぎるとAIへの負荷が高くなり、整理精度が落ちます。
Tip(Windows): 「Windowsキー+H」でカーソル位置に音声入力が可能。AI-Agentに複雑な内容を指示するとき、テキスト入力欄にカーソルを合わせた状態で使うと、話しながら指示を入力できる。
ステップ3:概念ファイルを作る(Logic層)
Section titled “ステップ3:概念ファイルを作る(Logic層)”インプットをもとに、ontology/concepts/ フォルダに概念ファイルを作ります。
1ファイル = 1テーマ。たとえば:
concepts/ ├── 自分の強み.md ├── 市場の選び方.md ├── 意思決定の基準.md └── 苦手なこと.md概念ファイルに書くこと:
- このテーマについて今どう思っているか
- 自分のモチベーション・理解度(状態)
- 関連する出来事・判断の記録
AI-Agentを使ってMDファイルを作成・加筆する
Section titled “AI-Agentを使ってMDファイルを作成・加筆する”概念ファイルは、手作業で一から書くよりもAI-Agentを使って作成する方が望ましいです。MDファイルには、見出し、タグ、関連概念、人物、組織、更新履歴など、多くの構造情報を差し込む必要があります。これを毎回手で整えると、記録すること自体が重くなり、継続できなくなります。
まずはAI-Agentに、何を作りたいかをざっと伝えます。
Tip: コア情報から指示する 「なんとなくこういうテーマで」という曖昧な指示だと、AIは一般的な内容を生成してしまう。何を作るか・自分はどう考えているか・誰が関係するかという核心を最初の指示に含める。細部は後から追記する。
「自分の市場選定の考え方」について、concepts用のMDファイルのたたき台を作ってください。関連しそうなタグ、関係する人物・組織、今後追記すべき論点も入れてください。重要なのは、作ってもらったMDファイルを必ず全部読むことです。分からない言葉、しっくりこない表現、自分の感覚と違う部分があれば、そのまま残さず、AI-Agentに分かる言葉へ書き換えてもらいます。
この表現は自分の言葉ではありません。もっと日常的な言い方に直してください。
この部分は意味が分かりません。具体例を入れて、何を言っているのか分かるようにしてください。読んでいないMD、意味が分からないMD、自分の言葉になっていないMDは、Ontologyの中ではゴミになります。ディレクトリに残さない、増やさないことが大事です。
Tip: 大量生成後は必ずファイル数を確認する AI-Agentにフォルダ全体を渡して整理させると、意図しない大量ファイルが生成されることがある。生成後は必ずファイル数と内容を確認し、自分が指示していないファイルは即削除する。「あとで整理しよう」という積み残しがOntologyを汚染する原因になる。
たたき台を読んだら、それに沿って、今の自分が考えていることをAI-Agentにどんどん追記・書き直ししてもらいます。
このファイルに、いま自分が考えていることを追記してください。
- 自分はこの市場に可能性を感じている- 理由は、既存プレイヤーがAIを使えていないから- ただし、現場の人に技術用語で話しても伝わらない- だから「作業が30分短くなる」のような言葉に変換する必要があるAIが作る文書は、基本的に既存のMDや一般的な知識をもとに、それらしく組み立てられます。そのため、AIだけで作った書類は、見た目は整っていても実効性を持たない場合がほとんどです。
Ontologyに価値を持たせるのは、今の自分が本当に考えていること、迷っていること、判断したことです。AI-Agentは清書係・構造化係として使い、自分の思考をどんどん追加していきます。
ステップ4:行動を記録する(Action層)
Section titled “ステップ4:行動を記録する(Action層)”actionlog に、日にちごとに自分が行ったことを記録します。
行動ログは「AIが提案したことを実行したか」だけを書く場所ではありません。思考、資料作成、MTG、リサーチ、メール、管理業務、移動、発信など、その日に自分が実際に使った時間を記録します。
ファイルは月ごとに作ります。
actionlog/ ├── 2026-06.md ├── 2026-07.md └── YYYY-MM.md月別ファイルの中では、1日を1ブロックとして記録します。
---month: 2026-06updated: 2026-06-05---
# アクションログ 2026年6月
---
## 2026-06-05(金)
> 稼働: 5h | 主要事業: SOVREN Framework, AIPスクール
| 時刻 | 種別 | 事業 | 内容 | object_id | 成果・メモ ||------|------|------|------|-----------|-----------|| 09:00-10:00 | 思考 | SOVREN Framework | オープンソース公開方針を整理 | `SOVREN_Framework` | スクール固有技術ではなく、公開Frameworkとして広げる方針に決定 || 10:00-12:00 | 資料作成 | SOVREN Framework | Manifestoページのたたき台を作成 | `SOVREN_Framework` | 原典サイトのトップメッセージを作成 || 13:00-14:00 | MTG | AIPスクール | 保護者向け体験導線を検討 | `AIPスクール` | 90分体験セッションを入口にする案を整理 |記録する項目
Section titled “記録する項目”| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 時刻 | 09:00-10:30 のように時間帯を書く。不明なら概算でよい |
| 種別 | 思考、資料作成、MTG、インプット、コミュニケーション、管理業務、移動、開発・実装、発信など |
| 事業 | どの事業・プロジェクトに関係するか |
| 内容 | 何をしたかを一文で書く |
| object_id | 関係する人物・組織・概念のOntology IDを書く。対象がなければ — |
| 成果・メモ | 何が決まったか、何を作ったか、何に気づいたかを書く |
大事なのは、「やったこと」をただ並べることではありません。あとでAI-Agentが読んだときに、どの行動が、どの人物・組織・概念・意思決定につながっているかが分かるようにすることです。
やった・やれなかった・別のことをした——どれでも記録します。「やれなかった理由」もデータになります。日ごとの行動ログが残っていると、AIはあなたの思考パターン、時間の使い方、先延ばしの癖、成果が出やすい行動を分析できるようになります。
Tip: プロジェクトの終了・中断はAIに明示する 進行中のプロジェクトを止める場合、アクションログに「中断」「キャンセル」と記録するか、関連する概念ファイルのステータスを更新する。報告を怠ると、AI-Agentが後で全体分析をするときに古い情報を引きずり、誤った整理をする原因になる。
ステップ5:概念同士のつながりを記録する
Section titled “ステップ5:概念同士のつながりを記録する”概念同士のつながりは、自分で一つずつ手作業で記録するのではなく、AI-Agentにお願いして整理してもらいます。
概念ファイル、人物ファイル、組織ファイル、アクションログが増えてくると、自分では気づいていない関係性がたくさん出てきます。たとえば「自分の強み」が「市場の選び方」に影響していたり、「苦手なこと」が「外注する業務」につながっていたりします。
こうした関係性を、AI-Agentに読ませて ontology/relations/links.json や関係性マップに整理してもらいます。
myproject全体を見直して、人物・組織・概念・アクションログのつながりを整理してください。
特に以下を見つけてください。
- 同じテーマに関係している概念- 特定の人物や組織と結びついている概念- 行動ログから見える、継続的な関心や意思決定のパターン- links.json に追加した方がよい関係性- 既存の関係性で古くなっているものおすすめは、週1回または月1回、AI-Agentにmyproject全体を見直してもらうことです。フォルダ全体を読み直し、マップとつながりを再構築してもらうことで、自分の頭の中の地図が少しずつ精密になります。
ただし、Agentが提案した関係性も必ず確認します。しっくりこない関係、意味が分からない関係、今の自分の感覚と違う関係は、そのまま残さず修正します。関係性マップはAIが作るものではなく、AI-Agentと一緒に育てるものです。
ステップ6:Ontology全体を分析する
Section titled “ステップ6:Ontology全体を分析する”ステップ1〜5で、インプット、概念ファイル、行動ログ、関係性マップが少しずつ蓄積されます。ここまで揃ったら、AI-AgentにOntology全体を分析してもらいます。
これは単なる「AIに相談する」ではありません。自分が残してきたMDファイル、日々の行動、人物・組織・概念のつながりをまとめて読み直し、今の自分の判断軸を再構築する作業です。
myproject全体を読んで、S1の観点からOntology全体を分析してください。
見てほしいこと:
- いま自分が繰り返し考えているテーマ- 行動ログと概念ファイルの間にあるズレ- よく登場する人物・組織・概念- まだ言語化できていない判断基準- 古くなっているMDや、統合した方がよいMD- 次に作るべき概念ファイル- 次の1週間で取るべきアクション分析結果は、必ず読みます。分からない部分は、分かる言葉に直してもらいます。違和感がある指摘は、AI-Agentに理由を聞いたり、自分の考えを追記して修正します。
このステップの目的は、AIに答えを決めてもらうことではありません。自分が残した情報を材料にして、AI-Agentと一緒に自分の判断軸を更新することです。
| ツール | 用途 | 費用 |
|---|---|---|
| Cursor または Antigravity(IDE) | ファイルの編集・閲覧 | 無料プランあり |
| Claude Code または Gemini(AI-Agent) | AI分析・Ontology更新 | 月数千円程度 |
| 対話型AI(ChatGPT・Claude・Gemini) | 日常の壁打ち・質問 | 無料プランあり |
| Google Drive | スマホ↔PC間のファイル同期 | 無料 |
| WhisperベースのSTTアプリ | 音声→テキスト変換 | 無料 |
サイクルのまとめ
Section titled “サイクルのまとめ”思考・発言・気づき ↓音声メモ → テキスト化(inbox) ↓概念ファイルに整理(ontology/concepts) ↓行動を記録(actionlog) ↓つながりを記録(ontology/relations) ↓Ontology全体を分析 ↓次のアクションを決める ↓実行 → 結果を記録 → またインプットへ ↓(ループ)自分の主要な考え方の軸と判断基準が言葉になっており、継続的に更新されている状態です。
-
myprojectフォルダを自分のPCに作成した - 概念ファイルが5つ以上作成されている
- 概念同士のつながりが
links.jsonに記録されている - AIを使って自分の思考パターンを分析した記録がある
- 日々の意思決定の根拠を言葉にできる
ワーク:企画書を作って、何かを作成してみよう
Section titled “ワーク:企画書を作って、何かを作成してみよう”S1の仕上げとして、AI-Agentと一緒に何かを1つ作ってみます。WEBサイト、会社やサービスの説明文章、プレゼンテーション資料、簡単なアプリケーション——何でも構いません。
ここで体験してほしいのは、作成に入る前に、詳細の企画書MDを構築するという進め方です。AIに「○○を作って」といきなり依頼すると、それらしいけれど自分のイメージとは違うものが出てきます(ステップ3で見た「コア情報から指示する」と同じ原理です)。この段階で、自分の頭の中にあるイメージを全部企画書に落とし込みます。
手順は4ステップです。
1. 企画書のMDを作る
要件定義をAgentに伝え、ざっと企画書全体のひな型を作ってもらいます。
「自分の店の紹介ページ」を作りたいです。まず企画書のMDを作ってください。
要件:- 誰に見てほしいか:近隣の30〜50代・初めて店を知る人- 何を伝えたいか:仕込みに手間をかけている店だということ- どんな印象にしたいか:誠実・清潔・気取らない- 必ず載せること:営業時間、場所、予約方法、看板メニュー3品
企画書には、目的・ターゲット・構成案・各セクションに載せる内容・トーンの指定・未決定の論点、という項目を入れてください。Tip: 画像は
img/フォルダに分け、用途を企画書に書く WEBページや資料で画像を使う場合は、画像ファイルをimg/フォルダにまとめるだけでは足りない。企画書に「どの画像を、どのセクションで、どんな印象を出すために使うか」まで書く。AIは画像の意図を勝手には理解しないので、画像の役割も要件定義に含める。
2. MDを見ながら、自分のイメージと違うところをすべて修正する
ひな型を必ず全部読み、イメージと違う部分を残さず直します。「この言い回しは自分の店らしくない」「この構成だと伝えたいことが最後に来てしまう」——違和感を全部、企画書の段階で潰します。ここで手を抜くと、成果物の修正で何倍も時間がかかります。
3. 企画書のMDを参照して、実際のWEBページや資料を作成する
この企画書MDを読んで、その通りにWEBページ(HTML1ファイル)を作ってください。企画書に書いていない要素は追加しないでください。Tip: 企画書にない要素を追加させない AIは「よかれと思って」キャッチコピー、FAQ、架空の実績、余計なセクションを足すことがある。制作を依頼するときは、必ず「企画書に書いていない要素は追加しない」と明示する。足したい要素が出てきた場合は、先に企画書へ追記してから制作に戻る。
4. 成果物を確認し、足りていないところを修正し、その旨を企画書MDに追記する ←重要
できあがった成果物を確認し、足りない点・直したい点を修正します。そして何をなぜ直したのかを、企画書MDに追記します。
## 制作後の追記(2026-06-12)- 写真が暗く「清潔」の印象が出なかった → 昼の自然光の写真に差し替え- メニュー名だけでは仕込みの手間が伝わらない → 各品に一言(仕込み時間)を追加- 次回への学び:「印象」の要件は、文章だけでなく写真の指定まで企画書に書くTip: 修正指示は企画書に戻す 成果物だけを直して終わると、次に同じものを作るときにまた同じ説明が必要になる。直した内容、直した理由、次回最初から入れるべき条件を企画書に追記する。企画書が「納品前の指示書」から「自分の制作Ontology」に変わる。
この追記が、今後の制作の方向性検討にとても役に立ちます。企画書が「作って終わりの書類」ではなく、自分の制作の判断基準が蓄積されるファイルになるからです。これはOntologyのサイクル(記録→分析→更新→書き戻し)と同じ構造であり、S4のLP作成(コンパウンド戦略)でこの型をそのまま本格的に使います。
Tip: 作ったHTMLを、無料でネットに公開してみよう
手元で完成したHTMLは、無料で・その日のうちにインターネットに公開できます。使うのは次の2つの無料サービスです。
- GitHub(ギットハブ):ファイルをネット上に保管・管理する場所。作ったHTMLファイルを置いておく「倉庫」だと考えてよい。無料アカウントで使えます。
- Netlify(ネットリファイ):GitHubに置いたファイルを、誰でも見られるWEBページとして公開してくれるサービス。GitHubと連携させると、ファイルを更新するたびに自動でページが更新されます。これも無料の範囲があります。
一番簡単なのは、Netlify Drop を開いて、HTMLの入ったフォルダをドラッグ&ドロップする方法です。 このページなら、GitHubもアカウント登録も後回しで大丈夫。フォルダを画面に放り込むだけで、数秒で
https://○○○.netlify.appというURLが発行され、すぐにスマホでも開けます(※ページを残し続けたい場合は、あとで無料アカウントを作って保存します)。この無料範囲をうまく使えば、お金をかけずに一時的なページを公開できます。自分の店の紹介ページを知人にURLで送ってみる、サービスの説明ページを商談相手に見せてみる——「作ったものが実際にネットで開ける」という体験は、それだけで世界の見え方が変わります。
(AI依頼例)作ったHTMLファイルを、Netlify Drop(https://app.netlify.com/drop)で無料公開する手順を、パソコンが苦手な人にも分かるように1ステップずつ、画面のどこを押すかまで具体的に教えてください。本格的に運用するなら、GitHubとNetlifyを連携させた自動公開に進みます。これはS4で事業のLPを量産するときに本格的に使います。
ワークの完了目安
- 作成前に企画書MDを作り、全文読んで自分のイメージに合わせて修正した
- 企画書MDを参照させて成果物(WEBページ・資料など)を作成した
- 成果物の修正内容と理由を企画書MDに追記した
- [ ](発展)作ったHTMLをNetlifyで無料公開し、URLを誰かに送ってみた
S1 レッスンプラン例
Section titled “S1 レッスンプラン例”S1を勉強会や授業で扱う場合は、2時間×3回で以下の流れにすると実装しやすいです。
| 回 | 時間 | テーマ | 到達目標 |
|---|---|---|---|
| 1 | 2h | Agentでフォルダ構造とMarkdownを作れるようにする | IDEとAI-Agentを使い、myproject の基本フォルダを作る。自己紹介、概念、プロジェクト概要などのMDを作成する |
| 2 | 2h | アクションログを設置し、フォルダ構造をOntology化する | actionlog/ を設置し、作業記録を残し始める。AI-Agentにフォルダ全体を読ませ、概念・人物・関係性を整理する |
| 3 | 2h | ワーク:企画書MDを作成し、バイブコーディングを行う | 企画書MDを作り、内容を確認・修正したうえで、WEBページや資料などの成果物をAI-Agentで作成する |
3回が終わった時点で、参加者は「自分のPCにAIが読める仕事場を持ち、企画書を起点に成果物を作り、修正内容を記録へ戻す」一連の流れを体験している状態になります。
- 次に学ぶ → S2:情報をまとめて使えるようにする(自分が定まって初めて、どこで戦うかが決まる)
- この軸のPhase 2 → S6:スタッフ管理をAIで行う